マスクの性能について
「家庭用マスク」「医療用マスク」の性能についてですが、
商品パッケージには、記載されている項目に PFE・BFE・VFE の表示があります。
マスクのフィルター部分の性能
PFE
PFE(Particle Filtration Efficiency):微粒子捕集(ろ過)効率試験
試験粒子はポリスチレン粒子(約0.1㎛)で、PM2.5対策用の性能指標です。
BFE
BFE(Bacterial Filtration Efficiency):バクテリア飛沫捕集(ろ過)効率試験
試験粒子は 黄色ブドウ球菌の懸濁液(約3㎛)で、かぜ対策用の性能指標です。
VFE
VFE(Viral Filtration Efficiency):ウイルス飛沫捕集(ろ過)効率試験
試験粒子はバクテリアオファージ(約1.7㎛)で、ウイルス対策用の性能指標です
※1㎛(マイクロメートル)=1㎜の1000分の1の長さ(大きさ)
これらはマスクのフィルター部分の性能を表すもので、
それぞれ空気中の微粒子・細菌・ウイルスがマスクに使われているフィルター部分を通して、
どれだけ「ろ過(捕集)」されたかの測定値を表しています。
測定値はパーセントで表され、数値が大きいほどバリア(防御)性能が高いことを示しています。
ちなみに花粉対策用のマスクは花粉の大きさを想定した約30㎛の粒子の捕集(ろ過)効率をみていますので、
PM2.5、バクテリア飛沫、ウイルス飛沫と比べ非常に大きい粒子の捕集性能しか評価していないため、
これらの対策向きではないことがわかります。
さらに医療用マスクには、上記の性能の他に、下記のような性能も求められます。
●呼気抵抗(こきていこう):呼吸のしやすさ
●血液不浸透性(けつえきふしんとうせい):血液などが付着した際に染みこみにくさ
●延燃性(えんねんせい):燃え広がりにくさ
上記のように、マスクの性能とはフィルター部分での微粒子(PM2.5)、
ウイルス、菌、花粉の遮断性能を指し、一般的に不織布のマスクには性能評価として
それぞれPFE、VFE、BFE、花粉遮断率99%以上などの表示がされております。
それに対して、布製のマスクは一般的にPFEなどの表記がないものが多いですが、
その理由としては、大半の布製マスクは、ウイルスや細菌を透過させてしまう繊維密度のため、
バリア性能をうたえない商品が多いためです。
最近は、布製マスクでも不織布製等の高性能フィルターを装着し、捕集性能を付与させた製品もありますが、
不織布製マスク、布製マスクともに使用目的に応じたBFE値、VFE値がきちんと記載されているかチェックしましょう。
↓飛沫にも様々な大きさがあります。目的に合った種類を選びましょう。

ただ、厚生労働省によると布製マスクには以下のような効果があるとしています。
①せきやくしゃみなどの飛散を防ぐ効果があることや、手指を口や鼻に触れるのを防ぐことから、感染拡大を防止する効果。
②マスクの着用により、喉・鼻などの呼吸器を湿潤させることで風邪等に罹患しにくくなる効果。
③洗濯することで繰り返し利用することができるため、店頭でマスクが手に入らないことに対する国民の皆様の不安の解消や、
増加しているマスク需要の抑制により、医療機関や高齢者施設などマスクの着用が不可欠な方々にしっかり必要な量を届けるという効果。
●参考:日本衛生材料工業連合会HP