新型コロナウイルス感染拡大の影響により、消毒用アルコールや次亜塩素酸ナトリウムなど、
新型コロナウイルスに対して有効な消毒薬が注目され、品薄状態にもなっています。
そしてそれに伴って、新型コロナウイルスへの殺菌効果が期待でき、人体にも影響が少ない次亜塩素酸水に注目が集まりました。
しかし、中には正しい次亜塩素酸水の生成方法とは違った作り方をしているにも関わらず「次亜塩素酸水」として販売している製品があります。
これらの「次亜塩素酸水」として販売されている水溶液は、効果がなかったり、
使用方法によっては、人体への悪影響が懸念される製品も存在するため、使用には注意が必要です。
また、独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)の評価により次亜塩素酸水は新型コロナウイルスへの効果に疑問と報道され、
次亜塩素酸水は効果がない、または空間噴霧は危険であるなど不安になるかも知れませんが、
次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸水、次亜塩素酸、と文言が似通っているので正しい知識と、
数多ある製品から本物を選ぶことが必要です。
ここでは、次亜塩素酸水についての詳細を記載いたします。
新型コロナウイルスの感染拡大によるメディア報道などで、次亜塩素酸水の名前を初めて知った方も多いと思いますが、
次亜塩素酸水とは、厚生労働省からの指針により、食品衛生法で生成方法が指導されている食品添加物です。
そして厚生労働省は、『食塩や塩酸を水に溶かして電気分解したもの』
を次亜塩素酸水として、食品添加物の殺菌料(殺菌効果が期待出来る)
と定義しています。
この次亜塩素酸水は、手指消毒は対象外としていました。
その後、経済産業省は次亜塩素酸水を手指消毒は対象外としていた判断を修正し
『一部商品では適用されているものがある』との見解を公表しました。
また、令和2年5月29日には、NITEの評価により
『次亜塩素酸水は新型コロナウイルスへの効果に疑問』と発表しました。
しかし、この検証試験においては上述の厚生労働省が定義している次亜塩素酸水ではなく、
次亜塩素酸水として販売されている、本来の効果や安全性が担保されていない製品も含まれます。
NITEの見解として、次亜塩素酸水として販売されている製品に中には、
製法(電気分解以外もある)や原料が明記されておらず、
液性をpH値によって明記しないものも多く、安全性も根拠不明なものが多いとして、
安全性が不明な次亜塩素酸水での噴霧除菌は控えるよう、注意を促しています。
※本来の次亜塩素酸水を使用した場合の噴霧除菌に関しては、効果と安全性が確認されています。
【NITE最終報告】「次亜塩素酸『水』」について
新型コロナウイルスに対する代替消毒方法の有効性評価に関する検討委員会2020年6月26日発表による
(NITE=独立行政法人 製品評価技術基盤機構)
NITEは、報告として大きく2つの内容を挙げています。
1.次亜塩素酸水の名称の定義
2.新型コロナウイルスを用いた検証で、一定濃度以上の次亜塩素酸水が消毒に有効と判明
元々「次亜塩素酸水」とは厚労省で食品添加物と認定されている液剤の名称ですが、
今回の新型コロナウイルス拡大の影響でアルコールなどの消毒剤が不足してきたため、
NITEが経済産業省等の依頼を受け、新型コロナウイルスに対する代替消毒方法の有効性評価を実施した結果、
報告書において、新たに「次亜塩素酸水」について定義し、便宜的に整理を行いました。
発表により整理された枠組みは以下の通りです。
ジアファインは図の右部にある、その他の型:イオン交換法になります。
枠組みとしては、「非電解型次亜塩素酸水(その他の型:イオン交換法)」となります。
本来の生成方法とは違った作り方をしているにも関わらず次亜塩素酸水として販売されている水溶液には、いくつかの製法があります。
①次亜塩素酸ナトリウム水溶液を希釈
②塩酸、クエン酸、炭酸などの酸性溶液を混ぜる事によってpH調整した水溶液
③塩酸を電気分解して生成した水溶液
上記の製法でつくられた製品でも、実質的に次亜塩素酸水と同様の効果や安全性が期待出来る製品もあります。
しかし、中には原料の次亜塩素酸ナトリウムをただ希釈したものや、品質管理に疑問があり、効果も安全性も疑問がある製品が多々あるのも事実です。
また、これらの製法でつくられた製品は、次亜塩素酸水とは言えません。
またこれらの混合液は、厚生労働省の通達で『化学反応が生じている可能性がある』ため、
食品添加物(次亜塩素酸水)としての販売が認められていません。
次亜塩素酸水は電気分解により、酸性とアルカリ性に分解して
酸性側の次亜塩素酸を活用しています。
次亜塩素酸は酸性領域になると殺菌力が格段に上がります。
そのために、本来の次亜塩素酸水ではなく販売している製品の中には
強アルカリ性の次亜塩素酸ナトリウムに酸性の物質を混ぜて
酸性寄りにpH調整をして生成していることがあります。
しかし、量の大小はあるにせよ、生成過程で必ず塩素ガスが発生します。
これは、いわゆる「混ぜるな危険」を行っているからです。
アルカリ性のカビ取りスプレーや、酸性のトイレ洗浄剤などには
「混ぜるな危険」の表示があります。
日本でも、これらを混ぜて塩素ガスが発生する事故があり、
表示を明確にするようになりました。
もちろん生成工場等で徹底した管理を行い、安全にも留意した製品を送り出している企業もありますが、
管理が行き届かない場合や、最悪の場合は管理さえしていないこともあるので注意が必要です。
もともと、次亜塩素酸ナトリウムは、保存性や洗浄力を発揮するため、様々な添加物が加えられています。
そして、その添加物には、不純物、有害物質が多く含まれていることが問題で、人体への使用は認められていません。
そのため、次亜塩素酸ナトリウムそのものや、
これをもとに作った粉末・錠剤などの固形材料等で作った水溶液は、
薄めたとしても、これを噴霧して吸入した場合、呼吸器系への障害が起こる可能性が考えられますので安全とは言えません。
また同じ理由で、次亜塩素酸ナトリウム水溶液を、うがいや手洗いなどで使用するのも、避けた方が良いです。
※社会福祉法人全国保育協議会(Q.10)にて健康障害についての記述があります。
本来の次亜塩素酸水は、効果・安全性共に実証を重ね、正しい使い方をすれば非常に効果的で良いものです。
そもそも、厚生労働省が認めている次亜塩素酸水は、ボトリング(容器に詰めて)しての販売は認めていません。
しかしながら、次亜塩素酸水ではなくとも、効果や安全性が同等またはそれ以上の製品も存在します。
ジアファインもその製品の一つです。
それら本物を見抜くために、ポイントを記載致します。
①成分表示を見る
②使用期限を見る
③容器を見る
④液体である
製品パッケージには通常は成分の項目があります。
このカテゴリ製品での成分表示については、表示義務はないので記載がない製品もあります。
しかしながら、次亜塩素酸を主成分とするならば、表示するべき項目です。
濃度やpH値が非常に重要な項目であり、製法についても重要であるからです。
次に使用期限の記載があるかも重要です。
次亜塩素酸は対象物に反応した後は、水に戻るという特徴があります。
反応性が良いということは、寿命が短い性質を持っているということにもなります。
様々な製法がある中で、消費期限を明確に表示している製品は成分の性質を理解し、
検証を重ねて設定しているといえます。
容器も重要なポイントです。
次亜塩素酸は紫外線に弱い性質を持っています。
遮光性のわるい透明や半透明の容器の場合、すぐに濃度低下してしまいます。
また、粉末や錠剤等を水に溶かして作るタイプの製品については、
固形にするために他の物質を組み合わせています。
固形にすれば、使うときに生成出来たり、製品の小型化が可能で、
保存性や価格面でのメリットはありますが、
本来の次亜塩素酸の能力を最大限発揮するには液体の方が良く、
また、固形にするために組み合わせる物質が身体に良くないこともあるので注意が必要です。
※NITEの新型コロナウイルスに対する代替消毒方法の有効性評価に関する検討委員会2020年6月26日発表によると、
液体では35ppm以上で新型コロナウイルスに効果が期待出来るが、粉末型だと100ppm以上で効果が期待出来るとしています。